廃車で解体が必要になるケースとは?解体の仕組みや依頼方法をご紹介
廃車を行う際には、車の解体が必須となるケースとそうでないケースに分かれます。
解体が必要な場合は、廃車手続きの前に解体を済ませる必要がありますから、まずはどんなケースで解体を行う必要が生じるのかを確認しておきましょう。
この記事では、解体業者に依頼する際はどんな書類を用意するといいのか、解体にかかる費用はどの程度なのかについてもご紹介します。
なぜ解体業者が格安で作業を請け負っているのか、気になるその仕組みも詳しく解説しましょう。
廃車の際の解体はどんなケースで必要なのか
廃車には永久抹消登録と一時抹消登録の2種類があります。
一時抹消登録の場合は、再びその車に乗ることを想定して保管するため、解体は必要ありません。
一方の永久抹消登録は、その車に二度と乗らない場合に行う手続きなので、その証明として解体が必須です。
永久抹消登録を行う際の必要書類として「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモや、解体届出書の提出が求められます。
そのため、廃車手続きを行うよりも前に、業者に依頼して解体を済ませる必要があるのです。
自分自身で車を解体することはできない
解体業者を利用せずに、自分自身で車を解体したいという方もいるかもしれませんが、これは認められていません。
車にはフロンガスをはじめとした危険性のある物質が詰まっているので、これを取り扱える認定業者しか解体処分ができないのです。
また、永久抹消登録には、認定業者しか発行できない「解体届出書」の提出が必要です。
自分自身で解体を行ったとしても、解体届出書を用意することは不可能なので、永久抹消登録を進めることができません。
廃車前に解体を依頼する場合の流れ
先ほどもお伝えしましたが、自動車の解体を自分で行うことはできません。
専門業者による作業を受ける必要があるので、これからご紹介する手順で解体を行いましょう。
廃車買取業者や解体専門業者を見つける
まずはお近くの専門業者をインターネットなどから探して、廃車の買取や解体を請け負ってくれるお店と連絡を取りましょう。
解体はディーラーに依頼することもできますが、高額な費用が発生する可能性が高く、おすすめできません。
業者を選ぶ際には、なるべく自宅から近い業者に決めるとよいでしょう。
移動距離が短ければ、業者までの運転の負担が少なくて済みます。また、レッカー車が必要な場合でも、追加料金なしで現場まで移動させられる可能性が高くなります。
必要書類を用意する
専門業者に解体を依頼すると、廃車手続きをお店側に代行してもらえます。
この際の追加料金はかからないことが多く、非常にお得なので、手続きの代行を依頼しましょう。
その際に必要となる書類は以下のとおりです。
・自動車検査証の原本
・印鑑証明書
・実印
・口座番号などの金融機関情報(税金や保険料の還付がある場合のみ)
・住民票(住所変更を行った場合のみ)
実印に関しては、印鑑証明書に捺されているものと同じ印鑑が必要なので、相違がないかどうかを確認しましょう。
還付金を受け取れる場合は、口座番号を業者に伝えておくことによって、申請が通過した後に自動的にお金を受け取れます。
廃車手続きが完了すると「抹消登録証明書」が届く
業者による廃車手続きが完了すると、抹消登録証明書が自宅に郵送されてきます。
この書類を受け取るまでにかかる期間の目安は、業者に手続きの代行を依頼した日から約1ヶ月程度となることが普通です。
この書類を受け取れば、廃車手続きは正式に完了します。
廃車する車の解体にかかる費用の相場とは
永久抹消登録を希望する車の場合、事故車というケースも多く、コンディションが非常に悪いケースも目立ちます。
そんな車を解体するのですから、費用は高額になりそうなイメージがありますが、業者は無料で解体を請け負うことが一般的です。
状況によっては解体費用が請求されることもありますが、この費用も1~2万円程度と比較的安価です。
ディーラーに解体を依頼した場合、5~10万円程度の費用が請求されることが普通なので、街の業者に依頼したほうが確実にお得といえます。
ただし、自走できない車の場合は、レッカー費用が別途請求されることがあります。
レッカー費用の相場は1.5~2万円で、移動距離に応じて微調整されます。
中にはレッカー費用も無料という業者もあるので、細かな条件を事前に確認しておきましょう。
解体業者はなぜボロボロの廃車を無料で引き取るのか
解体業者はボロボロの廃車でも無料で引き取ることが多いのですが、なぜ全く価値が付かないような車でも無料で解体を行っているのでしょうか。
結論としては、解体後にさまざまな形で再利用されることがその理由になります。
具体的な解体の仕組みを見てみましょう。
輸出されて海外で売買されることがある
車を一度解体した後に、いくつかのパーツを入れ替えることで再び使用可能な状態にして、海外へ輸出することがあります。
人が乗れる自動車に生まれ変わらせてから転売することで差額を得ることにより、解体費用をゼロ円にすることができます。
使用可能なパーツを中古品として売却している
エンジンやフレームにダメージを受けて動かないような車だとしても、稼働できるパーツがどこかに眠っていることがあります。
解体した結果、中古パーツとして売却できる部品が見つかる場合は、そのパーツを売却することで解体業者が利益を出しています。
古い年式の車だとしても、カーナビや車載カメラなどの電気製品には値打ちがつく場合もあります。
こういったアイテムが劣化したり、壊れたりしないうちに、処分を決意した車はなるべく早く解体・廃車させたほうがお得です。
レアメタルや鉄を再利用できる
車にはレアメタルという希少な金属が使われています。
これを取り出すことによって、新しく自動車を作る際や、家電製品を作る際に再利用することが可能です。
レアメタルの売却も、解体業者が利益を出す上で重要なポイントの1つです。
また、それ以外のパーツから価値を見出せなかったとしても、車そのものを鉄くずとして売却することは可能です。
大きな事故によって大破した車だとしても、鉄としての価値は残っていますから、解体の現場において価値がゼロになるということはないのです。
解体費用をゼロにするコツは素早く売却すること
解体費用がゼロになるかどうかは、車に転売できるパーツが多く残っているかどうかにかかってきます。
放置しているだけでエンジンが不良を起こしたり、部品に錆びが付いたりしてしまうので、廃車を決意した場合はなるべく早く解体を依頼しましょう。
鉄くずとしての価値しか無くなってしまうと、解体を専門的に実施する業者からも解体費が請求されることがあります。
費用は1~2万円程度となりますが、出費を避けるためには、少しでもコンディションが良いうちに解体することがおすすめです。
まとめ
永久抹消登録を行う場合は、廃車手続きの前に車の解体が必須です。解体は自分自身で行うことができないため、お近くの専門業者に作業を依頼しましょう。
解体にかかる費用は無料になることが多く、解体費が請求されたとしても1~2万円で収まることがほとんどです。
廃車費用をゼロ円に近付けるためには、廃車すると決めた車をなるべく早く解体することが重要です。