廃車にかけている保険はどうなる?状況別の対応法と還付の受け方を解説
自動車を所有している期間は契約が必須となる自動車保険ですが、廃車が確定した車に保険が付いていても全く意味がありません。
廃車を行う際は、車そのものの手続に加えて、保険の手続きを行うことも重要です。
保険の扱いをどうするかは、別の車に乗り換えるかどうかにもよって異なります。
手続きをするための方法や手順、そして解約する際に受け取れる還付金の申請方法など、廃車時の保険の扱いについて詳しく解説します。
まず廃車後に保険を残すのか解約するのかを考える
廃車と保険の手続きを進める前に、まずはその保険をどうするのか方針を決める必要があります。
基本的には、すぐに別の車に乗り換える場合は入替や中段の手続きを、しばらく車に乗る予定がなければ解約の手続きを行います。
保険を引き継ぐ場合は新しく保険の加入手続きをしなくて済むというメリットが、解約する場合は還付金を受け取れるというメリットがあります。
詳しい申請方法等については、次の項目遺構で詳しく解説することにしましょう。
廃車時に自賠責保険を解約する方法
強制保険とも呼ばれる自賠責保険には、車を所有している限り必ず加入しなければなりません。
37ヶ月など長期の契約を保険料先払いで支払うことになりますが、使っていない分の自賠責保険料が1ヶ月分以上残る場合、還付金として返金を依頼することが可能です。
なお、自賠責保険も次の車に引き継ぐことが理論上は可能ですが、実際に引継ぎの手続きを行うケースは稀です。
これは新しい車を購入した後の車検期間と保険期間が一致しないためであり、基本的に自賠責保険は廃車に合わせて解約することになります。
解約に必要な書類と手続きの手順
自賠責保険の解約には、以下の書類が必要になります。
・本人確認書類(運転免許証など)
・自賠責保険証明書
・廃車を確認できる書類
廃車を確認できる書類としては、「登録事項証明書」「一時抹消登録証明書」「解除事由証明書」などを挙げられます。
これらの書類は廃車手続き完了に合わせて入手できる書類になりますので、まずは廃車を完了させることが先決です。
上記の書類が揃ったら、加入している保険会社に連絡をして、解約の申請を行います。
手続きが受理されると、通常であれば数日中に還付金が振り込まれます。
振込先となる口座番号等が分かるように、銀行の通帳等も持参すると便利です。
自賠責保険の解約で受け取れる金額とは?
自賠責保険を解約すると、残りの契約期間分の金額が月割りの計算で還付金として戻されます。
たとえば37ヶ月分の契約を行ってから12ヶ月後に解約する場合ならば、残った25ヶ月分の保険料が払い戻されるのです。
月割りの計算になりますから、一分一秒を争うということはありません。
必ずしも今すぐ解約申請を行う必要はないものの、申請が数日ずれるだけで1ヶ月分の保険料が無駄になってしまいます。
月末が近い場合は、早めに書類を揃えて解約の申請を行いましょう。
廃車時に任意保険を解約する方法
任意保険はその名のとおり加入の義務のない保険ですので、補償内容や保険料、支払方法は各々の契約により異なります。
自賠責保険と同様に、各自で解約等の手続きを申し出る必要があるため、契約中の保険会社と連絡を取って個別に対応を依頼しましょう。
一括払いで保険料の支払いを済ませている場合は、残りの契約期間分の保険料が返金されることが一般的です。
月額払いを行っている場合は、解約が完了するまでは保険料の請求が続くことになりますから、早めに解約の意思を伝えましょう。
先付け解約の申請を行うと便利
具体的に廃車の日時が決まっている場合は、予め「先付け解約」を行使することを伝えると便利です。
保険会社に以前連絡しておくだけで、指定した日時を以て自動的に保険を解約することができます。
たとえば2ヶ月後の廃車を予定している場合、その日時を指定して先付け解約の申請を行います。
すると、廃車が完了する2ヶ月後までは保険の効力が続くことになりますから、その間に万一の事態が起きた場合も安心です。
任意保険を新しい車に引き継ぐ方法
廃車を済ませた後に新しい車に乗り換える予定がある場合は、現在の任意保険を生かしたままにし、引き継がせることも可能です。
この場合は「車両入替」と「中断申請」のいずれかを選ぶことになります。
新しい自動車に現在の任意保険を引き継がせれば、車の買い替えに合わせて保険に再加入する手間を省くことができます。
入替と中断の違いについて細かく解説しますので、状況に応じてより適した方法を選びましょう。
車両入替とは
車両入替は、現在加入している自動車から、新しく買い替えた自動車へと保険の対象を入れ替える方法です。
現行の契約期間をそのまま引き継ぐことになりますので、廃車直後に新しい車を購入するという場合におすすめできます。
ただし、車両の種類が異なる場合は、差額の保険料が請求される可能性があります。
たとえば普通車からキャンピングカーに乗り換える場合などは、それに応じた保険料の差額を支払う必要が生じる点には要注意です。
中断申請とは
将来的に車の購入を検討しているものの、すぐに乗り換えを実施することは無いという場合に便利なのが中断申請です。
中断申請を行うと、新しく車を購入するまでの期間、保険を凍結状態にすることができます。
中断期間は最大で10年間になり、その間は保険料を支払い続ける必要もありません。
途中で保険会社を変更したくなった場合には、等級を引き継いだまま別の会社の保険に変更することも可能なので、10年以内に車を購入する可能性が高い場合は中断申請をしましょう。
なお、中断申請を行うためには、中断証明書を取得するために以下の条件をすべて満たさなければなりません。
特に申請期間には注意が必要で、所定の期間を超過した場合は中断申請ができなくなり、解約を求められることになりますので、注意しましょう。
・中断する日から13ヶ月以内に申請を行うこと
・車の廃車等が完了し、既に手元に残っていないこと
・中断後の新契約の等級が7等級を上回ること
廃車の保険の解約は廃車買取業者に依頼できる
自賠責保険を解約する際は、廃車買取業者にその手続きの一切を依頼することができます。
廃車買取等の依頼と併せて手続きを求めることが可能になりますので、このサービスを活用することがおすすめです。
保険の解約には、登録事項証明書などの書類を取り寄せた上で、できるだけ早く申請を行わなければなりません。
書類の取り寄せには時間がかかりやすく、申請に難儀することもありますが、専門業者に依頼すれば安心です。
専門業者は保険の契約内容を把握し、スピーディに解約手続きを行います。
時間的なロスを出す心配もありませんので、還付金に無駄が生じることもなく、損をせずに手続きを終えることが可能です。
まとめ
廃車後は自賠責保険や任意保険に加入し続けていても意味がありませんので、解約や車両入替、中断申請等を速やかに行いましょう。
解約する場合は月割りで先払いしていた分の料金が還付されることになります。
保険の変更や解約を希望する場合、原則としてその前に廃車手続きを済ませる必要があります。
廃車買取業者では、自賠責保険の解約手続き代行サービスも実施しており、これを利用することで時間や費用のロスを出さずに手続きを終えることが可能です。