廃車証明書とは何?必要になる場合や再発行の方法などを徹底解説
廃車手続きが完了した際の証明として、廃車証明書が発行されます。
手続きが完了すればその時点で廃車にはなるのですが、なぜ証明書が必要になるのでしょうか。
廃車証明書がどんな場面で必要になることがあるのか、記事の中で詳しく解説します。
また、既に廃車手続きを終えたという方の中には、廃車証明書を紛失した、あるいは捨ててしまったという方もいるかもしれません。
そんな方のために、廃車証明書の再発行の方法や手順についても紹介します。
廃車証明書は全部で4つの種類がある
廃車証明書という言葉は、4つある証明書をひと括りにしたものです。
正式には4つの書類があり、それぞれ証明する内容が異なっています。
まずは4種類の概要をチェックしてみましょう。
登録事項等証明書
こちらは普通自動車を永久抹消した場合に発行されます。
現在登録事項等証明書と詳細登録事項等証明書の2つに分かれていて、原則として記載されている情報は車検証の内容と同じです。
ただし、廃車になった事実が記されている点は車検証と異なります。
登録識別情報等証明書
普通自動車を一時抹消した場合に発行されます。
平成20年までは一時抹消登録証という名前が使われていました。
内容は前述した登録事項等証明書とほぼ変わりません。
自動車検査証返納証明書
軽自動車を一時抹消した場合に発行される書類です。
登録事項等証明書の軽自動車版と考えておけば問題ありません。
乗用車の場合は陸運支局で入手することになりますが、こちらは軽自動車検査協会で発行を受けます。
検査記録事項等証明書
軽自動車を永久抹消した場合に発行されます。
内容については、登録識別情報等証明書の軽自動車版にあたります。
こちらも軽自動車検査協会で発行を受けます。
廃車証明書の提示が求められるのはこんなケース
廃車証明書は、廃車手続き終了後に思わぬ形で必要になることがあります。
その場で捨ててしまったり、なくしてしまったりすると、スムーズに手続きを進めることができません。
証明書は大切に保管して、いざというときのために備えましょう。
自賠責保険の解約には廃車証明が必須
強制保険とも呼ばれる自賠責保険は、車を所有していると見なされている限り、必ず保険料が請求されます。
車を手放した後に加入していても意味がありませんし、残りの契約期間が1ヶ月以上残っていれば還付金が戻ってくるので、必ず解約しましょう。
自賠責保険を解約する際には、廃車証明書の提示が求められます。
その人が既に車に乗っていないということを証明できてはじめて保険を解約することができるのです。
その他の必要書類と合わせて揃えておき、契約した保険会社に提出しましょう。
任意保険を次の車に引継ぎたい場合
ご存じない方もおられますが、任意保険は一時的に効力をストップさせることができます。
廃車後に新しい車を購入して、それが以前の任意保険の契約と同じ等級だった場合は、契約中の保険を次の車に引継ぐことができるのです。
この手続きを行う際、保険会社は契約中の車が本当に廃車になっているのかどうかを確認しなければなりません。
そこで提示が求められるのが廃車証明書です。
これがあれば、車を乗り換えた後は手間をかけずに元の保険を利用し続けられます。
これは、あくまでも車を乗り換える場合にのみ必要な手続きです。
新しい車に乗る予定がないという場合は、自賠責保険の還付を受けて解約すれば構いません。
そのようなケースでは、廃車証明書の提示は不要です。
車の再登録手続きを行う場合
一時抹消をした車は、そのまま保管しておけば、再登録をして再び公道を走らせられるようになります。
再登録を希望する場合は所定の手続きを行う義務が生じますが、この場合の必要書類の1つとして廃車証明書が含まれます。
海外への転勤や病気・事故による長期入院など、何らかの理由で長く車に乗らない場合が続き、しばらくした後にまた復帰したいという場合に、廃車証明書がないとスムーズに再登録ができません。
大事な書類の1つとして大切に保管しましょう。
乗り換えた車の車庫証明を行う場合
新しい車に乗り換えた場合は、車庫証明を取るように求められることがあります。
この際の必要書類の1つに廃車証明書が加えられるので、将来的な乗り換えを想定している場合は、特に厳重に廃車証明書を保管しておきましょう。
一時抹消から永久抹消に切り替える場合は、一時抹消をする際に手渡される抹消謄本のコピーも一緒に添付しなければなりません。
原則として、手続き完了時に渡される書類に無駄はないので、受け取った物は捨てずに保管することが重要です。
廃車証明書を紛失した場合は再発行ができる
保険をはじめとするいくつかの重要な手続きの際に廃車証明書が必須となり、これがなければ損をしたり、新しい車を自由に持てなくなったりしてしまいます。
原則として、廃車証明書は将来の備えとして大切に保管しましょう。
もし廃車証明書を無くしてしまったり、捨ててしまったりしていた場合にも救済策はあります。
所定の手続きを行うことにより、再発行を受けることも可能なので、その際の手順について知っておきましょう。
普通自動車の場合
普通自動車の廃車証明書を取得する場合は、以下の書類が必要です。
これから紹介する3つの書類を揃えて、管轄する陸運支局で手続きを行いましょう。
・ナンバープレートの番号と車体番号
・運転免許証などの本人確認書類
・請求理由書
再発行の請求をする場合、ナンバープレートは手元に残っていないことが普通です。
原本を提示することは不可能なので、その代わりにナンバープレートの番号と、7桁の車体番号を伝える必要があります。
請求理由書には、なぜ再発行を希望するのかの理由を記します。
「自賠責保険を解約したいため」「任意保険の引継ぎを希望するため」など、簡単な内容で構いません。
これらの事情が伝われば、速やかに申請が受理されます。
軽自動車の場合
軽自動車の廃車証明書を再発行することはできません。
代わりになる諸対を発行してもらうために、以下の書類を揃えて軽自動車検査協会でてつづきを行いましょう。
・新規検査願出書
・新規検査願出誓約書
・自動車検査証返納証明書紛顛末・誓約書
・譲渡証明書
・車体番号
・実印
・印鑑証明書
廃車証明書の再発行は廃車業者に一任できる
廃車手続きを代行している専門業者では、再発行に関する手続きの代行サービスも行っています。
ここで紹介したとおり、同じ廃車証明書でも全部で4種類あるため、何を願い出れば良いのか混乱しがちですし、理由書の準備など手続きはとても面倒です。
専門業者に依頼すれば、確実に受理される内容に書類を整えて窓口へ向かってくれます。
平日の日中という限られた時間内に手続きをしてくれるので、保険の手続きなども速やかに行えて便利です。
まとめ
廃車証明書には全部で4種類があり、車の種類や抹消方法などによって異なります。
保険の解約や乗り換えなどの場合に提示するよう求められるので、大切に保管し、もしも紛失してしまった場合は再発行を願い出ましょう。
これらの作業は廃車業者が代行で行っています。
手続きをできるのは原則として平日のみなので、再発行したくてもできないという方が多いかもしれませんが、業者に依頼すれば速やかな再発行が可能になります。