廃車すると自賠責保険料が還付される!気になる申請方法を徹底解説
車を所有して登録している期間中は、自賠責保険への加入が必要不可欠です。
自賠責保険料は前払いで支払うことになりますので、廃車を視野に入れている方にとって気になるのは、既に支払っている分の自賠責保険料がどのように扱われるのかという点でしょう。
実は廃車を行うと、廃車した翌月以降の自賠責保険料は還付という形で返金されます。
それでは、自賠責保険料の還付はどのような形で申請し、どうやって受け取ることになるのでしょうか。
受け取れる金額の目安と併せて、詳しくご紹介しましょう。
自賠責保険とは
自賠責保険とは、登録済みの車を所有する場合には、必ず加入しなければならない保険を指す言葉です。
運転可能な車を保有する人物には加入が義務付けられる保険であることから、「強制保険」という別称が使われることもあります。
自賠責保険に未加入の状態では、まず車検を通すことができません。
万一、運転中に事故を起こした場合、被害者の怪我の治療を補償するために加入する保険が自賠責保険であり、自分自身や自分の車は補償の対象外となります。
仮に自賠責保険未加入の状態で運転すると、自動車損害賠償保障法違反となり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処されます。
さらに違反点数として6点が差し引かれるなど、重大なペナルティが科されるため、要注意です。
自賠責保険料はいくら?
自賠責保険の補償対象は、前述したように対人のみです。
自分自身が怪我をしても、車が破損したとしても、保険金が下りることはありません。
保障内容そのものは任意保険と比べて劣りますが、その分だけ保険料は下がります。
自賠責保険料は、2020年4月を境に値下げが行われました。
従来の保険料と比較して10%以上の減額となり、より支払いの負担が少なくなっています。
普通車と軽自動車それぞれの保険料を表にまとめてみました。
自動車の種類 | 2020年3月以前の保険料 | 2020年4月以降の保険料 |
普通車 | 25,830円 | 21,550円 |
軽自動車 | 25,070円 | 21,140円 |
いずれも24ヶ月契約の場合の料金であり、単位は月額ではなく、24ヶ月分の合計額です。
つまり、1ヶ月あたりの保険料はこの金額を24等分したものとなり、普通車の場合は約898円が実質的な保険料の月額ということになります。
廃車手続きを行うと払い過ぎた自賠責保険料が還付される
ここで疑問になるのが、廃車手続きを行った際に、払い過ぎていた自賠責保険料はどのように扱われるのかという点ではないでしょうか。
もし24ヶ月契約の中の12ヶ月目で廃車を行うと、残りの1年分の自賠責保険料は無駄になってしまいます。
しかし実際には、廃車手続きを行った翌月以降の自賠責保険料は還付金として扱われ、所定の手続きを行った後に、対象となる金額の全額が払い戻されます。
数年分の自賠責保険料を先払いしていたとしても問題ありませんので、安心して手続きを行いましょう。
なお、自賠責保険料の未使用期間に関しては、日割りではなく月割りで計算されることになります。
月初に廃車にするよりも、月末までに廃車を済ませておいたほうが、自賠責保険の還付という意味ではお得になることを覚えておくとよいでしょう。
還付される自賠責保険料の概算
実際にどれくらいの自賠責保険料が還付されるのかは、廃車を行ったタイミングと、残っている自賠責保険の有効期間によって異なります。
一例として、24ヶ月の契約を2020年4月以降に行い、保険契約から10ヶ月目で廃車にした場合の還付金を計算してみます。
まず、この場合の自賠責保険料は21,550円です。
これを1ヶ月あたりの料金に割ると約898円になります。
自賠責保険を使わなくなった期間は、11ヶ月目~24ヶ月目までの14ヶ月分になりますので、898円×14ヶ月で12,572円が還付される計算です。
支払った金額のうち半額近くが還付されることになりますから、還付の手続きをするかしないかによって節約できる金額は大違いです。
廃車手続きと併せて、必ず自賠責保険の還付金請求手続きも済ませましょう。
自賠責保険以外で還付の対象となるものとは
自賠責保険の他にも、任意保険や自動車税、自動車重量税(軽自動車の場合は除く)という3つの料金が還付の対象となります。
計算式は先ほどの自賠責保険と同様で、月割りの計算により、使わなくなった分の保険料を取り戻すことが可能です。
廃車に伴う自賠責保険の解約方法
自賠責保険の還付を受けるためには、忘れずに自賠責保険の解約手続きを行わなければなりません。
還付金は月割りで請求されますので、なるべく早く手続きを終えることをおすすめします。具体的な解約方法の手順をお伝えしましょう。
- 廃車したという事実を証明する
自賠責保険は、車が登録されている間は必ず加入し続けなければならない保険です。
これを解約するためには、確実に廃車を行ったという事実を証明する必要がありますので、まずは一時抹消登録、あるいは永久抹消登録の手続きを行い、廃車しましょう。
廃車が完了すると、一時抹消登録証明書または登録事項等証明書が発行されます。
この書類が自賠責保険解約のための必要書類になりますから、これを入手した上で、この後の解約手続きを進めていきます。
- 保険会社に解約を申請する
廃車が完了したというだけで、自動的に自賠責保険が解約されることはありません。
契約している保険会社に自ら連絡をして、廃車を行ったという事実を伝えつつ、解約の申請を行いましょう。
窓口で手続きを行う場合は、その場の指示に従って書類に記入するだけで手続きが完了します。
郵送での手続きを希望する場合は、解約を申し込むと自宅に申請書が送付されますから、これに必要事項を記入して返送し、手続きを行います。
- 必要書類を添付する
自賠責保険の解約に必要な書類は以下のとおりです。
これは窓口での申し込みにも、郵送での申し込みでも、いずれも必要な書類となります。
なお、窓口で申請書に記入する際には認印が必要となりますので、必ず窓口へ持ち込みましょう。
・自賠責保険証の原本
・一時抹消登録証明書または登録事項証明書の写し
・振り込みを希望する金融機関の口座番号
- 指定した口座に還付金が振り込まれる
書類に不備がなく、申請した内容が認められると、一定期間が経過した後に指定した口座へ還付金が振り込まれます。
支払われた還付金の金額に誤りがないかどうかを確認して、問題がなければそのまま受け取りましょう。
廃車に伴い自賠責保険の還付金請求を行う際の注意点
上記の手続きを行うだけで、自賠責保険の還付金請求を行うことができ、申請が認められれば未使用月の自賠責保険料が変換されます。
しかし、この請求を行う際には、これからご紹介するいくつかの注意点に気を配らなければなりません。
順に見ていきましょう。
還付金は残りの契約期間が1ヶ月以上残っている場合のみ請求可能
還付金は月割の計算で分割して返金されるため、残りの契約期間が1ヶ月以上残っていなければ請求することができません。
残り数日~数週間の残存期間の還付金の請求は不可能ですので、注意しましょう。
還付されるのは申請が受理された日の翌月分から
自賠責保険料で還付される金額は、申請が受理された日の翌月分からとなります。
保険契約の残り期間が残りわずかに迫っている場合、申請するタイミング次第では還付金を受け取れない可能性もあるため注意しましょう。
特に理解しておくべきなのは「解約の申請を行った日」ではなく「解約が受理された日」が基準となることです。
月末ギリギリで飛び込んで申請をしたとしても、当月中に受理される可能性はほとんどありませんので要注意です。
面倒な自賠責保険の手続きは廃車買取業者におまかせ
自賠責保険に関連する手続きは複雑であり、非常に厄介です。
廃車ではなく中古車として業者に売却した場合には自賠責保険の名義変更手続きが必要になるなど、ケースに応じて申請内容や必要書類が異なります。
このような面倒な手続きを、廃車買取業者では無料で代行することが一般的です。
煩わしい手続きをすべて業者に一任することができますので、ユーザーは新しい車の購入などに集中することができます。
まとめ
廃車手続きを行った後に自賠責保険の残存期間が1ヶ月以上残っている場合は、所定の手続きを行うことで還付金を受け取ることができます。
払い過ぎた分の保険料が無駄になることはありませんから、安心してください。
廃車買取業者では、自賠責保険に関連する手続きの代行を行っています。
還付金の請求のみならず、名義変更など面倒な手続きが必要になるケースもありますが、専門知識を持つ業者に手続きを一任すれば、安心して新車の購入などに集中することができます。