廃車手続きの代行はどこに依頼するべき?メリットや廃車までの流れも解説
廃車手続きは自分でも行えますが、陸運局などの営業時間内に現地まで足を運ばなければなりません。
もし時間があったとしても手続きは面倒ですし、失敗せずに廃車できるように、専門業者に手続きの代行を依頼したい方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、廃車手続きの代行を希望する場合に、どんな基準で業者選びをすると良いのかを詳しく解説します。
代行を依頼するメリットや、廃車手続きの流れについても、分かりやすくお伝えしていきます。
廃車手続きを代行してくれる業者の種類
廃車手続きを代行してくれる業者は、いくつかの種類に分かれています。
どこに依頼してもサービスの内容は変わりませんが、費用やメリット・デメリットがそれぞれ異なるので、業者ごとの特徴を簡単に整理しておきましょう。
ディーラー
新車への買い替えを検討している場合に便利なのがディーラーです。
購入に関する相談や商談と並行して廃車手続きを依頼できるので、手間を省くことができます。
通いやすい立地にある場合が多く、アクセスしやすいこともメリットでしょう。
また、信頼性が高いこともディーラーを利用する際のメリットです。
その他の業者を利用してもトラブルに巻き込まれる心配はまずありませんが、少しでも不安が残るという場合には、普段から利用しているディーラーに任せると安心できるはずです。
一方でデメリットとして覚えておかなければならないのは、手数料を徴収される可能性が高いことです。
レッカー費用や解体費用がかかる場合には、合計で4~5万円の出費を見込まなければならず、専門業者と比べるとコストパフォーマンスに劣ります。
廃車買取専門店
廃車にする車の買取に特化した業者です。
引き取った車を中古車として再販売することは基本的に考えず、パーツ取りなどで利益を出すことを目的としている業者なので、コンディションが悪い車でも買取や引き取りを行い、原則無料で廃車手続きを代行しています。
ここで紹介するどの業者よりも廃車を取り扱った実績を持っており、廃車手続きそのものにも慣れています。
必要書類等についても漏れなく丁寧に教えてくれますから、廃車がはじめてという方でもスムーズに手続きを進めることができます。
デメリットとなるのは、中古車販売店やディーラーと比較すると店舗数が少ないことでしょうか。
ご自宅の近くでお店を見つけられない可能性がありますが、利用できそうな店舗が見つかった場合には、手続き代行の依頼をおすすめできます。
中古車買取店
中古車の買取を専門的に行っているお店でも、廃車手続きを代行してくれることがあります。
そのお店に車を引き取ってもらうことが前提条件にはなりますが、廃車にするしかないと思っていた車に価値を付けてくれて、買取してくれる可能性がある点がメリットです。
一方で、査定を受けた車が買取不可能だった場合は、廃車手続きを代行してもらえないことが一般的です。
買取OKだとしても手数料を差し引かれることがありますから、お店の規定や料金表、見積書の内容を確認することが重要になります。
中古車販売店
中古車販売店は、買取した車を修理して再生する能力に長けています。
買取後に自社でそのまま売却するシステムを導入しているお店の場合、中間マージンもカットできるため、コンディションが悪い車も買取対象にしてくれる可能性があることがメリットです。
中古車販売店の場合は、自社でレッカーを保有していることも多く、自走できない車を引き取ってくれることもあります。
廃車手続きの手数料は無料というお店が大多数を占めており、買取不可の車でも0円で引き取って廃車にしてくれるケースも目立ちます。
デメリットとしては、買取に関するノウハウに乏しいお店を選んでしまうと、価値があるはずの車を0円で査定されてしまう場合があることです。
販売店の実績や評判を確認した上で、業者選びを進めることがおすすめです。
解体業者
永久抹消登録を行う場合には、手続きの前に車を解体することが必須です。
自動車の解体を自分自身で行うことはできません。
解体業者に車を預けて作業を受ける必要がありますから、そのついでに廃車手続きを依頼できることは大きなメリットといえます。
手数料もかからないことが普通ですが、解体業者は都心にはあまり多くなく、アクセスしにくいことがデメリットです。
不動車の場合はレッカー移動することになり、この費用が高額になることもあるため、利便性という面では若干難があります。
行政書士
行政書士は車の解体や買取には対応してくれませんが、難しい書類を集めて手続きを代行してくれます。
行政書士は法的な手続きに関するプロなので、スムーズで滞りなく、確実に廃車を完了させたいという場合には利用してもよいでしょう。
ただし、行政書士に依頼した場合は、確実に手数料がかかってしまうことが難点です。
残された車の処理も自分自身で行わなければなりませんし、手続きの費用はディーラー以上になることもあるため、利用する価値はほとんどありません。
廃車手続きの代行を依頼するまでの流れ
廃車手続きを代行してもらう場合、次のような流れで廃車を行います。
業者への提出が求められる必要書類と合わせてチェックしておきましょう。
代行を依頼する業者を選ぶ
先ほどの項目でご紹介した業者の中から、代行を依頼する業者を選びます。
最もおすすめなのは廃車買取業者や中古車販売店で、それ以外の業者は状況に応じて選択するとよいでしょう。
特にレッカー移動が必要な場合は、なるべく自宅から近いお店を選びましょう。
業者に必要書類を渡して代行を依頼する
廃車の代行を依頼する業者が決まったら、必要書類を渡して正式に依頼します。
廃車代行を希望する際は、以下の書類が求められるため、忘れずに用意しましょう。
・運転免許証の写し
・印鑑証明書
・実印
・委任状
・車検証の原本
・自賠責保険賞の原本
・住民票(住所変更を行っている場合のみ)
・戸籍謄本(2回以上の住所変更を行っている場合のみ)
手続きの完了を待ち、抹消登録証明書を受け取る
書類を不備なく揃えることができたら、あとはすべての手続きを業者に任せていれば大丈夫です。
自分自身で陸運支局や軽自動車協会に足を運ぶ必要はありません。
通常、依頼から1ヶ月以内には廃車手続きが完了しますが、業者によって手続きに要する期間は異なります。
廃車手続きが無事に完了すると、依頼した業者から「抹消登録証明書」が送られてきます。
これは廃車手続きが完了したことを示す証明書になるため、大切に保管しましょう。
これだけで廃車手続きは終了です。
廃車手続きの代行にかかる費用相場
廃車手続きの代行を依頼する場合の費用は、依頼する業者によって異なります。
廃車買取業者などは無料サービスとして手続きを代行してくれることが一般的ですが、ディーラーなどに依頼すると代行手数料がかかることもあります。
この際の費用相場を確認しておきましょう。
代行手数料の相場は1万円前後
代行手数料がかかる業者の場合、この費用は1万円前後となることが一般的です。
見積もりを依頼した業者が代行手数料を徴収する場合は、可能であれば手数料無料の業者を探して、代行を申し込むとよいでしょう。
手数料がかかる場合も、新車購入時にディーラーに依頼する場合など、二度手間を省けることに価値を感じる場合は利用してもよいでしょう。
ただし、代行手数料が5万円など法外ともいえる金額が請求される場合は、その業者の利用を見合わせることをおすすめします。
別途解体費用やリサイクル料がかかることもある
代行手数料の他に、解体費用やレッカー費用、リサイクル料がかかることがあります。
解体費用も無料になることがほとんどですが、車のコンディションによっては1~2万円程度の費用が必要です。
レッカー移動が必要な場合は、その費用として1.5~2万円前後の費用がかかります。
また、平成17年以前に購入した車の場合、リサイクル料を前払いできていません。
この場合は廃車手続きの際に7,000円~2万円の支払いが求められます。
リサイクル料金の支払いは法律で定められているため、どの業者を利用したとしても支払いの義務が生じます。
専門業者はなぜ廃車手続きの代行を無料で引き受けるのか
ここまで廃車手続き代行にかかる費用の相場をお伝えしてきましたが、なぜ専門業者は面倒な廃車手続き代行を無料で引き受けられるのか、疑問に感じはしないでしょうか。
その理由は、引き取った車を有効にリサイクルしているためです。
廃車する車を買い取り、中古車として売却する業者は、買取価格と販売価格の差額から利益を出します。
中古車販売店の数は全国で非常に多く、ライバル店よりも多く車を仕入れたいという意識を持つ業者が多いため、廃車代行を無料でサービスすることが多いのです。
車を解体する場合も、廃車買取業者や解体業者は、解体した後のパーツを転売して利益を生んでいます。
転売できるパーツが無くても、車本体を鉄くずとして販売することが可能です。
このような事情があるため、手続きの代行を無料でサービスすることができています。
まとめ
廃車手続きを自分で行えば手数料がかかりませんが、陸運支局や軽自動車協会に向かう際の交通費がかかります。
さらに平日の日中に手続きを行わなければならないというハードルも高く、サラリーマンの頭を悩ませる原因になっていることも事実です。
専門業者に手続きの代行を依頼すれば、手間がかからないばかりか、無料で代行を引き受けてもらえる可能性が高くなります。
代行を依頼する際に必要となる書類を事前に確認しておき、時間もお金も無駄にすることなく、スムーズに廃車手続きを進めましょう。