廃車を行う際に価値がありそうなパーツを自分自身で取り出す「部品取り」を行い、少しでもお得に廃車手続きを進めようと考える方は多いのではないでしょうか。
しかし部品取りを行うと法律に触れる恐れがあるため、素人が自己判断で行ってはなりません。
この記事では、部品取りを行うとどんな法律に抵触する恐れがあるのか、そしてどんな罰則を受ける可能性があるのかを解説します。
また、取り外しても違法にならないパーツの種類もご紹介していきます。
廃車前に部品取りを行えば、高価なパーツを自分自身で転売し、いくらかの得ができるかもしれません。
しかし資格を持たない人物が部品取りを行うと、法律に触れる恐れがあるため要注意です。
具体的にどのような法律に違反するのか解説します。
自動車リサイクル法により、自動車を解体できる人物は、都道府県知事からの許可を得て営業を行っている解体業者に限られています。
特別な許可を持たない個人や団体が勝手に部品取りを行うと、これを解体行為と見なされ、法律に触れる可能性があるのです。
許可を得なければ部品取りが許されないパーツは、タイヤやエアバッグなどのアイテムのほか、有用部品全般が含まれています。
軽い気持ちで行った部品取りが原因で違法行為と見なされることがありますので、取り扱いには十分に注意しましょう。
使用済の自動車やエアバッグといった品は、法律上は「廃棄物」と見なされます。
廃棄物処理法は、この廃棄物を無資格者が廃棄することを取り締まる法律ですので、車の取り扱い方次第ではこの法律に抵触する恐れがあります。
廃棄物処理法は、その品自体に価値があるか無いかは一切関係なく適用される法律です。
所有者にとっては普通のゴミにしか思えないようなパーツでも、立派な廃棄物として扱われますので、こちらも十分に注意すべき法律です。
部品取りによってパーツを販売したり、廃棄したりしなければ法律に問われないのかといえば、実はそれも問題視される場合があります。
部品を取り外し、車検に通らない状態で放置しているだけでも、自動車リサイクル法に抵触する恐れがあるためです。
部品を取り外したことを「販売目的」と解釈された場合は、事業を行っていると判断されてしまい、より厳しく処罰される恐れもあります。
興味本位でパーツの解体を行うことも避けたほうが賢明といえます。
廃車前の部品取りは原則としてNGですが、中には取り外して次の車に引き継いだり、中古品として売却したりしてもOKなパーツもあります。
ここからは、取り外したとしても問題視されることのない部品をご紹介します。
音楽を聴いたり、テレビを見たりするための機器に関しては、車の走行そのものに影響を与えることのないアイテムです。
取り外しても法律に触れることはなく、部品取りして自由に扱うことができます。
カーナビに関しても運転性能に影響を与えるものではなく、取り外すことが認められています。
ただし、メーカーオプションに関しては、付けたままにしておいたほうが中古車市場で価値が付きやすく、取り外すことはおすすめできません。
今や大半の車に標準搭載されているETC関連機器ですが、こちらも走行性能や安全性能に直接影響を与えるものではありません。
取り外して残しておけば、再設定を行うことで次の車に引き継ぐこともできます。
防犯用に後から追加したアイテムも取り外して構いません。
最近では車載カメラ、いわゆるドラレコを購入する人が増加していますが、これも取り外してOKなパーツです。
使用可能な状態であれば、そのまま次の車に引き継いだり、売却したりしても良いでしょう。
ここまでにご紹介したとおり、無資格の個人や団体が勝手に部品取りを行うと法律に触れる可能性があります。
それではみすみす価値のあるパーツを捨てなければならないのかと言えば、そんなこともありませんので安心してください。
廃車買取業者では、価値のあるパーツを法律に則って取り外し、それを査定対象としてしっかりと評価します。
売却を見込めるパーツが多い場合、廃車予定の車が買い取られる可能性が高く、合法的な形で利益を得ることができます。
素人が勝手に廃車予定の車の部品取りを行うと、解体行為と見なされます。
解体は許可を得た事業者しか行うことができず、無資格者が行うと自動車リサイクル法や廃棄物処理法に抵触するため注意しましょう。
廃車買取業者に依頼を行えば、価値のあるパーツは合法的に取り出して、査定対象にしてくれます。
本来であれば有償なスクラップなどの作業が無料になるほか、買取代金が支払われる可能性もありますので、解体はすべて専門業者に任せましょう。