廃車手続きにおいては、必要書類の1つとして車検証を用意することが求められます。
しかし車検証を紛失しているなどの理由で用意できない場合は、廃車そのものを進めることができないのではないかと不安を感じる方が多いかもしれません。
そこでこの記事では、廃車したい車の車検証が見つからない場合の対処法を余すところなくお伝えします。
車検証を再発行するための方法や、それにかかる費用も含めて、詳しく確認しておきましょう。
車検証は免許証と同じく携帯することが義務付けられており、ダッシュボードの中に収められていることが普通です。
しかし一時抹消登録を行った後に放置していたというケースでは、あるはずの車検証が見当たらないということも珍しくありません。
廃車手続きを行う際にも、車検証の提出は必須となります。
そのため、車検証なしで廃車手続きを行うことはできません。こういったケースにおいては、まず車検証を再発行して書類を揃え、改めて廃車の手続きを行うという流れで手続きを進めることになります。
ただし、陸運支局等の判断次第では、車検証なしでも廃車に応じてくれるケースが稀にあるようです。
理由書と現在登録等証明書を代替書類として用意する必要がありますが、手続きが可能かどうかを窓口で尋ねてみてもよいでしょう。
車検証の再発行手続きを行うための方法は2種類あります。
自分自身で行うか、それとも業者に代行を依頼するかという二者択一になりますが、双方にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
まずはそれぞれの特徴を整理します。
登録済の住所を管轄している陸運支局や軽自動車協会において、自分自身で車検証の再発行手続きを行えます。
必要書類を集めて現地に足を運ぶ手間がかかりますが、書類に不備がなければ、即日中に再発行を受けることが可能で、手数料もかかりません。
注意しなければならないのは、車検証不携帯で公道を走ることができないという点です。
当該自動車を運転して窓口に向かうことはできません。
また、窓口は平日の日中にしか開かれておらず、会社員が申請することは困難という点もデメリットになります。
廃車買取業者やカー用品店、行政書士などが車検証の再発行手続きを代行してくれることもあります。
書類を集める手間がかかることには変わりありませんが、現地に自ら足を運ぶ必要がなく、簡単に新しい車検証を手に入れることができます。
デメリットは、代行手数料として4,000~5,000円程度の費用が余計にかかる場合があることです。
また、業者側が即日中に再発行手続きを行うことは少なく、書類を入手できるまでに1週間前後を要することも難点として覚えておかなければなりません。
廃車に向けて、まずは車検証の再発行が必要となることはこれまでにお伝えしてきた通りです。
ここからは、具体的な車検証の再発行方法について詳しくお伝えします。
普通車と軽自動車によって申請場所が異なりますので、車の種類に合わせて確認しましょう。
・必要書類を集める
再発行の申請当日に必要となる書類がいくつかあります。必要書類の内容は、普通車も軽自動車も全く変わりません。
具体的に必要となる書類の種類は以下のとおりです。
・本人確認書類
再発行を希望するのが本人であることを証明するための身分証明書を準備します。
運転免許証で問題ありませんが、有効期限切れなどの場合には、パスポートやマイナンバーカードといった顔写真付きの書類を用意しましょう。
・申請書
車検証の再発行を依頼するための申請書です。運輸支局の窓口に用紙が置かれているので、申請当日に記入することができます。事前に準備したいという場合は、国土交通省のホームページから用紙をダウンロードすることが可能です。
・理由書
なぜ車検証を紛失したのかという理由を伝えるための書類です。厳しい審査の対象となることはありませんので、ありのままに書き込めば構いません。こちらも現地で調達できるほか、国土交通省のホームページから用紙をダウンロードできます。
・認印
再発行手続きにおいては、実印を用意する必要はなく、認印を携帯していれば正常に手続きを行えます。
ただし、シャチハタを使うことはできません。窓口で混乱しないように、きちんと用意してから現地に向かいましょう。
・車検証
例えば事故や火災などにより、破損した車検証の一部が残っているという場合には、これも窓口に持ち込みます。
紛失などによって完全に車検証が失われている場合には、これは不要です。
・担当窓口へ向かう
普通車の場合は運輸支局で、軽自動車の場合は軽自動車協会において車検証の再発行手続きを行います。
営業時間内に窓口へと向かい、車検証の再発行を希望する旨を担当者に伝えましょう。
・手数料を支払い、再発行を待つ
車検証を再発行するために必要な手数料は、普通車・軽自動車のどちらも300円です。
現金での支払いとなりますから、窓口へ向かう際は忘れずに用意しましょう。
書類に不備がなければ、数十分程度で車検証の再発行が完了し、そのまま持ち帰ることができます。
再発行手続きを専門業者に依頼する場合は、自分自身で揃えなければならない書類の数が減ります。
現地まで足を運ばずに済むことに加え、用意する書類の量も減らすことができますので、手続きの負担を軽減させられます。
この場合の必要書類は以下のとおりです。
・使用者の委任状
業者に手続きを一任したことを証明する書類が委任状です。委任状には、使用者の認印が捺されていなければなりません。書類は業者側で用意することが一般的であるため、代行の申し込みを行う際に認印を携帯しましょう。
・車検証
自分自身で手続きをする場合と同じように、車検証が手元に一切ないという場合は提出しなくて構いません。
一部が残っているという場合には忘れずに添付して、委任状と併せて提出しましょう。
・理由書
車検証を無くした理由を示す書類です。
なぜ車検証が見つからないのか、どこで紛失したのかを詳しく把握することは困難ですので、シンプルな内容で構いません。
この書類にも、使用者の押印が必要になります。
すべての必要書類が揃っていたとしても、車検証の再発行を郵送で依頼することはできません。
時間の都合などにより窓口に足を運ぶことができないからといって、担当する陸運支局や軽自動車協会に書類を送付したとしても受理してもらえないので、注意してください。
車検証の再発行は、廃車買取業者などに代行を依頼すると便利です。
自分自身で面倒な手続きをする必要がなくなる上、失敗せず確実に廃車手続きを行えます。
再発行を業者に依頼するメリットについてお伝えします。
車検証の再発行を依頼できる運輸支局や軽自動車協会の営業時間は、平日の日中のみに限られています。
地域によって営業時間にはばらつきがありますが、8時45分~11時45分、13時~16時までの間に受付が終了することが普通です。
特に土日休みのサラリーマンにとっては非常に厳しい条件ですが、廃車買取業者は平日のみならず土日祝日にも代行の依頼を受け付けています。
空いている時間に業者に依頼を行えば、業者のスタッフが窓口の営業時間内に手続きを代行してくれるため便利です。
業者に代行を依頼することにより、必要書類の数が大幅に減ります。特に負担を減らすためのポイントとなるのが、申請書への記入の必要がなくなることです。
書類を取り寄せる必要も、ネットからプリントする必要も一切ありません。
申請書はとても細かく、はじめて申請する人にとって難しいことばかりです。
記入ミスがあると申請のやり直しが必要になりますので、二度手間がかかる恐れもあります。
こういった問題なく手続きを進められることも、業者に代行を依頼するメリットです。
車検証を再発行しただけでは、肝心の廃車手続きを進めることはできません。
車検証はあくまでも廃車手続きに必要となる書類の1つに過ぎず、再発行が完了した後は、その他の必要書類も合わせて改めて手続きを行わなければなりません。
専門業者には、車検証の再発行手続きと、廃車手続きそのものをセットで依頼することもできます。
一度の訪問と依頼で両方の手続きを円滑に進めることも可能ですので、自分自身で手続きを行うよりも簡単に廃車にすることが可能です。
代行を依頼する上で唯一のデメリットとなるのは、手数料がかかることです。
料金は業者によって異なりますが、相場としては3,000~5,000円程度の手数料がかかることが一般的です。
ただし、廃車買取を同時に申し込むことで、実質的な手数料の支払いをゼロにすることも可能です。
廃車買取業者は引き取った自動車の部品取りなどを行って利益を出すことができるため、手続きの代行を手数料無料で請け負うことが多いのです。
車を廃車にするためには、車検証を必要書類として用意しなければなりません。
紛失などによって手元に車検証が残っていない場合は、まず車検証の再発行手続きを行い、廃車に向けた準備を整えましょう。
車検証の再発行は、専門業者に代行してもらうことも可能です。
廃車買取業者を選べば、代行にかかる手数料が無料になる場合も多いほか、廃車手続きそのものも併せて依頼することができ、スムーズに廃車を完了させることができます。