車を購入する際、新車でも中古車でも「リサイクル券」を購入することが義務付けられています。
なぜリサイクル券を買わなければならないのか分からないという人や、リサイクル券はいつまで持っておくべきなのか知りたいという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、リサイクル料を支払わなければならない理由をはじめ、どんな時にリサイクル券の提示が必要なのかを解説します。
知っておかなければ損をする内容なので、特に廃車を検討中という方はしっかりと確認しておきましょう。
車を購入する人は、購入時にリサイクル料金を支払うことが自動車リサイクル法によって義務付けられています。
新車を購入する場合も、中古車を購入する場合も同じで、必ず所定の料金を支払わなければなりません。
車は遅かれ早かれ将来的には廃車となることがほとんどです。
そうなった場合、車は鉄くず同然になってしまいます。
利用価値のなくなった車が不法投棄され、環境汚染の原因となることを防ぐために、2000年に自動車リサイクル法が制定されました。
車の購入者が支払うリサイクル料は、車の種類によって異なります。
軽自動車の場合は7,000円~、普通自動車の場合は10,000円からが相場で、おおよそ20,000円以下に収まります。
農業用の自動車など、例外となる一部の車はリサイクル料金がかかりません。
リサイクル料の支払いは前払いになります。
車の購入と引き換えに支払う料金なので、行政としては「とりっぱぐれ」がなくなります。
この料金を支払ったことと引き換えに、証明として受け取るのがリサイクル券です。
リサイクル券はA~D券までの4種類に分かれています。
それぞれ役割が違い、いずれも必要な書類です。
一部を紛失することのないように、すべてまとめて保管することをおすすめします。
預託証明書として使われるものがA券です。
これを見れば、リサイクル料をいくら支払ったのかが分かります。廃車にする際には、相手先の業者に手渡す書類です。
「使用済自動車引取証明書」が正式名称です。
こちらは中古車として売却する際に、相手先の業者に渡す書類です。
引き取った業者は、車と一緒に新しいオーナーに引き渡します。
「資金管理料金受領証」が正式名称です。
リサイクル料金はいくつかの名目に分かれますが、この中の資産管理料金がいくらなのかを確認するための領収書になります。
こちらは、廃車や中古車として車を手放す際に、業者に渡す必要のない書類です。
例外的な書類となるのがD券です。
「料金通知書券発行者控え」と呼ばれる書類で、リサイクル業者側が保管する書類になります。
存在はしていますが、車の購入者には手渡されないため、自身で保管する書類はA~C券の3種類になります。
リサイクル券は、廃車にする際など車を手放すときに提示が求められる書類です。
それぞれのケースごとになぜ必要になるのか、そしてリサイクル券を提示できないとどうなってしまうのか解説します。
そもそもなぜリサイクル料の支払いが必須なのかというと、最初に説明したとおり、車の不法投棄を防ぐためです。
つまり車を廃車にする際に最も必要な書類なので、廃車手続きにおける必要書類の1つとして提示を求められます。
リサイクル券があれば、車を購入した際にきちんとリサイクル料を支払っていることの証明になります。
この場合には先ほど紹介した「A券」が必要になるので、業者と取引を結ぶ際に必ず提示しましょう。
廃車を依頼する際にリサイクル券を提示できないと、リサイクル料を改めて支払わなければなりません。
以前に支払っているという証明ができないことがこの理由で、リサイクル料を二重で支払うことになってしまいます。
廃車にせず、中古車として売却する際には、先ほど紹介した「B券」を新しいオーナーに引き渡します。
リサイクル料金は車単位ではなく、オーナー単位で支払うものです。リサイクル料が支払い済みの車でも、新しいオーナーは再びリサイクル料を支払います。
ただし、この場合には、売り主が以前支払っていたリサイクル料はそのまま返金されることになります。
車そのものは廃車されずに活躍し続けることになるため、この段階ではリサイクルを行う必要が一切ないためです。
リサイクル券を新しいオーナーに買い取ってもらう、という感覚を持つと分かりやすいでしょう。
もし紛失などでリサイクル券を用意できない場合は、以前支払った料金は戻ってきません。
請求するためには、これから紹介する再発行手続きが必要です。
リサイクル券を紛失してしまった場合は、以下の手順で再発行の申し出を行えます。
オンラインで手続きをすることができるので、あまり多くの手間はかかりません。
リサイクル券を再発行することにより、約1万円以上の損失を防ぐことが可能です。
簡単な手続きで再発行して、無駄なお金を使わずに済むようになりますから、必ず手続きを行いましょう。
リサイクル券の再発行は可能ですが、最初に受け取るときのような書類を作り直せるわけではありません。
再発行の手続きは「自動車リサイクルシステム」のHPから申請し、「自動車リサイクル料金の預託状況」をプリントアウトして行います。
まずは当該サイトにアクセスして、「リサイクル料金検索」のページを見つけましょう。
ここに愛車と同じ車両情報を入力して、「料金表示」ボタンをクリックします。
ここに表示されたページを印刷すると、リサイクル券と全く同じ効力を発揮する書類になります。
注意点は2点あり、まずはパソコンからしか利用できないという点です。
スマホからでも自動車リサイクルシステムのHPにはアクセスできますが、印刷が不可能なので、パソコンを利用しなければ再発行が不可能です。
次に時間の問題です。
パソコンからアクセスした場合も、預託状況のページを開けるのは7時から24時までに限られています。
それ以外の時間帯は、再発行のためのダウンロードができません。
リサイクル券以外にも、廃車をする際にはたくさんの書類を用意する必要があります。
すべての書類が揃っていないと損をしてしまいますし、手続きそのものがストップとなる場合もあるため要注意です。
専門業者に依頼すれば、リサイクル券を含む書類の取り扱いを丁寧に代行してくれます。
不備がある場合には手続きの代行も依頼できるので、廃車を検討している場合は専門業者に相談しましょう。
車を購入する場合は、新車・中古車を問わず必ずリサイクル料金を支払うことが義務付けられています。
中古車として車を手放す場合にはリサイクル料金が戻ってくるので、書類は大切に保管しましょう。
リサイクル券を含む必要書類の集め方に迷ったら、専門業者への依頼がおすすめです。
不備がある場合の対応をはじめ、あらゆる手続きを代行してくれるので、ミスなくスムーズに廃車にしたい場合は利用しましょう。