車を所有していると自動車税や保険料がかかります。
駐車場代も含めると月額数万円のコストがかかる場合が多く、使わなくなった車の扱いに苦慮している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、廃車の手続きにはどれくらいの費用がかかるのかを詳しく紹介します。
お金をかけずに廃車を済ませる方法についても触れるので、損をすることがないようにぜひチェックしてみてください。
一般的なイメージとして、廃車というと「二度と車に乗れなくなる状態」になるように想像する方が多いかもしれません。
これは「永久抹消登録」という廃車の方法です。
しかし、実はもう一つ「一時抹消登録」という廃車の方法もあります。
こちらは、手元に車を残した状態のままで一時的に廃車にするための手続きです。
まずは一時抹消登録を行う場合にかかる廃車の費用を紹介し、その後に永久抹消登録についての費用や手続き方法をお伝えします。
これから紹介する費用は、原則として普通自動車の廃車を想定したものとなります。
軽自動車の廃車に必要な費用は、自動車検査証返納届の提出に必要な350円になります。
一時抹消登録を行う場合は、手数料として350円がかかります。
この費用は運輸支局において廃車手続きを行う際に、印紙代として支払うことになります。
これに加えて印鑑証明書代が必要になるので、個人の場合は300円、法人の場合は450円を合わせた金額が一時抹消登録を済ませるために必要となる費用です。
手続きを業者に任せる場合は、別途業者に支払う手数料がかかります。
この金額は業者によって大きく異なるので、事前に確認を済ませておきましょう。
永久抹消登録で廃車にする場合には、一時抹消のような手数料はかかりません。
印鑑証明書代だけの負担となるため、この場合の費用も個人300円、法人450円です。
一時抹消と同じように、業者に手続きを依頼する場合には手数料がかかります。
事前に費用を確認して、自分で手続きをするかプロに任せるか考えてもよいでしょう。
上記で紹介した必須となる廃車費用は、自分で手続きを行う場合には1,000円にも満たない金額なので、特に大きな負担を強いられることはありません。
ただし、状況に応じて廃車にかかる費用はさらに増える可能性があります。
何にいくら支払う可能性が生じるのか、さらに深くチェックしておきましょう。
永久抹消登録を行い、車を完全な形で廃車にしたいのであれば、解体(スクラップ)が必要になります。
解体は専門業者に依頼するため、解体費用が必要です。
解体費用は業者によっても変わりますが、車の性能やコンディションによって大きく左右されることもあり、その費用を一概に算出することはできません。
解体の結果、高く売れるパーツが多かった場合には無料で済むことがあります。
反対に売れるパーツが少ないと解体費用が請求され、相場は10,000~20,000円になることが普通です。
解体費用をなるべく抑えるためのコツとしては、中古車販売店などの専門業者に依頼することを挙げられます。
専門業者は販売ルートが豊富なため、特殊なパーツへの査定も高くなることがあり、解体費用が0円で済みやすくなるのです。
車検が切れている車や、自賠責保険に未加入の車が公道を走ることはできません。
そのため解体を必要とする場合には、現地に運ぶためのレッカー費用が必要です。
費用は業者や時間帯によって変わりますが、移動距離20km前後で日中のサービスを依頼した場合には、15,000~20,000円程度を相場として考えるとよいでしょう。
廃車手続きを業者に依頼する場合は、諸費用の中にレッカー費用が含まれる場合もあるため、車検切れの車を廃車にする場合にはとてもお得です。
廃車をする際はリサイクル費用も発生します。
平成17年よりも後に新車登録した場合はリサイクル費用を先払いできていますが、そうでない場合は費用がかかります。
リサイクル費用は、車の大きさや種類によって変わります。種類別に見たリサイクル費用の相場は以下の通りです。
普通車 | 10,000~20,000円 |
軽自動車 | 7,000~16,000円 |
大型車 | 10,000~16,000円 |
廃車する際には手続きの費用、解体費用、レッカー費用、リサイクル費用という合計4つの項目でお金がかかる場合があります。
しかし、それぞれの項目の中でも簡単に触れていますが、専門業者を利用することによって各費用をゼロにできる可能性があり、数万円の節約をすることも可能です。
第一のポイントとなるのが、解体費用をゼロに抑えること。
パーツを高く買い取ってくれる専門業者に廃車を依頼することが、費用をかけずに廃車するための絶対条件になります。
レッカー費用がかかる場合には、諸費用にレッカー代が含まれている業者に手続きを依頼するか、レッカー代を負担してもらえないか交渉してみましょう。
解体から業者に依頼する場合は、350円の手数料も業者側で負担してくれることがあります。
こういった条件を満たせば、0円で廃車を完了させることもできます。
廃車にかかる費用は0円にできる可能性がありますが、それどころか還付金でプラスに持ち込むことも不可能ではありません。
廃車にすると、その先の分まで支払っていた税金や保険料が還付されることがあるので、以下の3つの項目についても詳しく知っておきましょう。
自動車税は、その年の4月1日時点で車を所有している人に支払い義務が生じます。ここで支払う自動車税の金額はあくまでも1年分です。
そのため、仮に12月に廃車手続きを済ませた場合には、1月~3月分の3ヶ月分にわたる自動車税が還付されます。
注意すべきなのは、自動車税の還付は普通自動車のみ可能と定められている点です。軽自動車の場合、自動車税が還付されることはありません。
自動車重量税は、次回の車検を受ける年月分までの先払いを行います。
永久抹消登録を行う場合、車検の有効期限が1ヶ月以上残っていれば、こちらも還付の対象になります。
こちらの還付を受ける場合は、永久抹消登録手続きの際に申し出る必要があります。
このタイミングを逃すと還付金を受け取れなくなるので注意しましょう。
自賠責保険に関しても、契約期間が1ヶ月以上残っている場合は、保険会社に解約を申し出ることによって、残りの契約分が還付金として戻ってきます。
車を乗り換える場合は自賠責保険の継続利用が必須であるため、還付を受けることはできませんが、運転する予定がないという場合には忘れずに還付の申請を行いましょう。
廃車手続きには手数料と印鑑証明書代が必須で、業者に依頼する場合には手数料の実費が、レッカーや解体などを必要とする場合にはそれぞれの費用が別途かかります。
業者に依頼した場合、解体の結果が良ければ手数料等を0円にできる可能性が高くなるため、条件の良い専門業者を見つけて廃車手続きを依頼しましょう。
また、廃車手続きを終えた後は税金や保険料の還付金を受け取れる場合が多いため、廃車による収支をプラスにさせることも不可能ではありません。